【インタビュー】崎山蒼志「いつかみた国」リリース記念テキストインタビュー!

今年の春、バラエティ番組に出演した際の1本の動画から瞬く間にその存在を知られるところとなったシンガーソングライター、崎山蒼志。

※『五月雨』リリース時の記事はコチラ


ブレイクのきっかけとなった『五月雨』を始めとして、デジタルシングルの形を主にリリースを重ねてきましたがこの度、待望のファーストアルバムがいよいよリリース!

崎山蒼志『いつかみた国』

AAC [320kbps] FLAC [96.0kHz/24bit]

今回のリリースを記念して、moraではテキストインタビューの形でお話を伺う事が出来ました!

またこれまでのシングル同様、ハイレゾ音源の配信もされている今作。ご本人からハイレゾ音源とのファーストコンタクト(のはず)の感想も届いていますので、インタビュー本文に先駆けご紹介いたします!

 

―――ハイレゾ音源を聴いてみて(AAC音源と聴き比べて)

崎山蒼志(以下、崎山)うわ~。ギターの音がもう違いますよね。ライヴ感というか、より生っぽくて臨場感があります。自分の息を吸う音とか、伸ばした音もきれい。「龍の子」の太鼓の音もより鮮明に聴こえます。ああ~~~良い。情報量がすごいです。

 

ご本人からもお墨付きを頂く臨場感!もとより通常(圧縮)音源でも十分にその激しくも繊細なパフォーマンスは楽しむことが出来ますが、ハイレゾによってさらにその先、息の音までを堪能できるはずです。多数の楽器や音色によるアンサンブルはもちろんですが、このように「声」と「ギター」2つの要素だけで研ぎ澄まされた音楽も、ぜひ高音質で味わってみて頂きたいです。

さらに、ビデオメッセージも頂きました!ありがとうございます!

 

それでは、以下よりインタビュー本文となります。ぜひ「いつかみた国」と一緒にお楽しみ下さい。

 


―――ご自身を世に知らしめたキラーチューンとも言える「五月雨」を収録していない事、さらにそれにも関わらずこれだけの密度のアルバムになっているのは驚きだと思います。
オリジナル楽曲は300曲とも以前おっしゃっていましたが、選曲の基準や、今回のアルバムに向けて新たに作成した楽曲があったら教えて下さい。

崎山:今、自分の体現できることが表れている曲を基準に選びました。

ライブで夏によく演奏していた曲、新しいことに挑戦した曲などです。

 

―――アルバムを聴くと、使われている言葉は多彩ながら、それぞれの楽曲がどこか地続きで繋がっているような不思議な印象を覚えます。アルバムや一曲目のタイトルに「国」ともありますが、意図的に今作では世界観を統一していますか?もしくは普段から作る歌詞なども、ご自身の中に共通した国や世界のようなものがあるのでしょうか。

崎山:意図的に統一しているわけではありません。

でも自分の表現する歌詞には、すべて共通点があるかもしれないです。

 

―――アルバムの楽曲がそれぞれキーが異なっているのは、意図的なものでしょうか?

崎山:偶然です。

 

―――曲を作る際は、詞と曲どちらが先ですか?またギター以外を使って作曲することはありますか?

崎山:ギターで爪弾きながらなんとなくメロディをつくって、そこから歌詞を書いていく感じです。

最近は打ち込みでつくることもあります。

 

―――歌詞カードを眺めているだけでも読み物として成立するような、現代詩にも通ずる歌詞が印象的です。影響を受けた著作や作家はありますか?また作詞では他所からの引用等でなく、自然と自分の中から言葉が出てくる感覚なのでしょうか?

崎山:中村文則さんの作品からはとても影響を受けています。

表現のひとつひとつがすごくて読むたびに感心しています。

 

 

―――DTMによる楽曲「龍の子」の存在は新鮮です。短い一節を繰り返す歌詞の構成は、反復の多いテクノ、ミニマルミュージックとの親和性も意識されたのでしょうか。

崎山:猛烈なスピードで思いついたままにつくった曲なので、そういった意識はなかったと思います。

でも日頃からミニマルミュージックも好んで聴いてます。

 

―――崎山さんにとって「名盤」とはどのような作品でしょうか。また具体的なタイトルがありましたらそちらも挙げて頂けましたら幸いです。

崎山:何年も語り継がれるものだと思います。Radioheadの『Kid A』など、、、

 

―――大きな魅力でもある強烈なカッティングはスタジオ録音でも健在で、特に低音弦が暴れるような強いアタック等は非常にエモーショナルだと思います。こういった演奏の際、ご自身も弾きながら感情が高ぶっているのか、それとも心の中はクールな状態を保っているのでしょうか?

崎山:感情が高ぶっているのだと思います。でも高ぶりながら、平静な感じです。

不思議な状態の中で演奏しています。

 

―――ピックの硬さや種類にこだわりはありますか?また、MIYAVIさんやウィルコ・ジョンソンなど素手で激しい演奏をするギタリストもいますが、そういったスタイルへの関心はありますか?

崎山:ピックは柔らかいほうが好きです。関心は、、、あります!

 

―――コードについて、9thやメジャー7thなどのテンションコードであったり、3度の音を抜いたメジャーともマイナーともつかないような響きも感じられのですが、こういった音使いはこれまでコピーしてきたアーティストの影響なのか、もしくはご自身の頭の中の響きやギターを押さえる際の手癖のようなものなのでしょうか?

崎山:9thや7thなどはスガシカオさんからの影響が大きいかもしれません。

3度の音をぬいたようなコードは完全に手癖です。

 

―――一番好きなコードと、コード進行は何ですか?また、ギターを構えた際に自然と最初に鳴らすようなコードはありますか?

崎山:あるのですが名前がわからないです。

 

―――今後、バンドスタイルでの演奏や、他にも取り組んでみたい楽曲のスタイルはありますか?

崎山:いろんな人とつくってみたいです、そして演奏してみたいです。

 

―――本日はお忙しいところ、ありがとうございました!


一つ一つの質問に対する答えはシンプルながら、それだけに音楽に対する迷いの無さが伺えます。作品について後付けで多くを語ろうとはしないその姿勢を見ていると、やはりその楽曲をただ真摯に聴く事が、彼とその作品を最も深く理解できる手段なのではないか…そう思えます。

作品や人となりに漂う、聴き手があれこれ考えてしまうようなある種のミステリアスさもまた魅力の一つではないでしょうか。皆さんも是非、この『いつかみた国』という深淵を覗いてみて下さい。

崎山蒼志 配信楽曲一覧